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zoom RSS 関の扉の詞章をうつす : 積恋雪関扉[下]

<<   作成日時 : 2011/12/21 21:17   >>

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こちら↓からの引用です。
 以下の「:」という記号は「〽 」=庵点だと思ってください。

積恋雪関扉[下]
   [上]はコチラ


: 一杯機嫌で関守は 銚子盃携えて 足もひよろひよろ歩み出で
   関兵衛、大杯と銚子を持ち、酔うたるこなしにて出て来る。
: えゝい世の中に酒ほどの楽しみはないわいの ヤア お前はまだ寝ないか イザヤ なぜ寝なさらぬよ して この花嫁御は どこへ行つた ハヽア 彼奴床急ぎだな エヽ 急ぐやつさ コレ お前も行つて寝なよ 寝ぬは損だ ばさらんだ あれはさのえい これはさのえいと恋の淵 もしも嵌まる気で四つ紅葉
   関兵衛、酔うたる振り
宗貞 「成る程 わしは行つて寝ようが そなたはきつい酔いようじや アヽ 危ないぞや危ないぞや」
   関兵衛の懐へ手を入れる。その手を押さえて
: あゝこりや何をするえ おれが懐へ 手を入れて ドヽどうするのだ
 「サア これは」
: イヤ どうするのだよエヽ 聞えた聞えた この大雪に手がこゝえたという事か その手に手を取つて寿の めでためでたの若松様よ 枝も栄えて葉も茂る おめでたや 千代の子 おめでたや 千秋万才ばんぜいばんぜいばんぜい万々才 ハア いざさせ給えと押しやられ 終始を胸に宗貞は 心残して奥へ入る
: 跡は手酌の一人酒 アヽさぞ今頃はしどけ松山 エイ アヽ えゝ気味だぞ こりや命を掻きむしるわえ
: どれもう一杯 酒にうつろう星の影
   酒をつぐ。よき程に日覆いより七曜星を繰り下ろす。
   関兵衛、その影が杯へうつるを見て、キッと思い入れ。
関兵 「アーラ怪しやな この盃中に鎮西の 輝(きら)めく影は寅の一天 今月今宵三百年に当る この桜を切つて護摩木となし 斑足太子の塚の神を祀る時は 大願成就心のまゝ アラ嬉や喜ばしやこの斧以て 立ち所に ドーレ」
: かしこの石に斧の刃を 押し当て押し当て磨ぎ立つる 音はそうそうとうとうと 闇を照らせる金色(かないろ)は 玉散るばかり物凄き
   大鉞を出して石に刃を磨ぎ立てる
関兵 「この斧の刃を試むるは幸いなるあの斧」
   駆け寄って琴を二っに切る。以前の片袖出る。
   関兵衛これを取り上げると大ドロにて関兵衛の懐より勘合の印出て
   桜の樹へ飛び去る事。関兵衛思い入れあって
関兵 「ハテ心得ぬ この片袖を手に取れば 我が懐中の勘合の印 桜の梢へ飛び去りしは いよいよ怪しきこの桜木何にもせよ ソレ」
(: 切らんとすればたじたじたじ 暫し心も消えぎえに斧に縋りて茫然たり)
   関兵衛、斧にて桜の樹を切ろうとする。
   大ドロにて関兵衛切り兼ねるこなし散々にあって
   トド斧に倚って眠る事
   大ドロ消える。
: 幻か深雪につもる桜かげ 実に朝には雲となり 夕には又雨となる 巫山の昔目のあたり 墨染が立ち姿
   大ドロにて桜の蔭より墨染女郎出る。
: 仇し仇なる名にこそ立つれ 花の莟のいとけなき 禿立ちから廓の里へ 根ごして植えて春毎に 盛りの色を山風が 来ては寝よとの兼ね言も 泊り定めぬ泡沫の 水に散りしく流の身
関兵 「ヤア いずくともなく見馴れぬ女 この山蔭の関の扉へ いつの間に どこから来たのだ」
墨染 「アイ わたしやアノ 撞木町から来やんした」
関兵 「ムウ 何しに来た」
墨染 「逢いたさに」
関兵 「そりや誰れに」
墨染 「こなさんに」
関兵 「ナニ おれに そりやなぜ」
墨染 「色になつて下さんせ」
関兵 「エ 何がどうした」
墨染 「サア 恥ずかしい事ながら わたしや見ぬ恋にあこがれて 雪をもいとわずはるばるとこゝまで来たほどに どうぞ色よい返事を して下さんせ」
関兵 「そりや近頃有り難いと云いたいが どうも合点がゆかぬわえ」
墨染 「お前もマア疑い深いそこが歌にも云える 桜咲く桜の山の山桜」
関兵 「咲く桜あり 散る桜あり」
墨染 「思い思いの 人心じやわいなア」
関兵 「そう聞けば有りそうな事 何にもせい いま日の下に二人とない器量なら風俗なら 路考(ろこう)云われぬ撞木町の太夫職が 色で逢おうとは こりや大きに仕合せが直つて来たわえ そんならいよいよ これからは」
墨染 「いつまでも可愛がつて 秀鶴の千代八千代 諸白髪まで添いとげて下さんせ」
関兵 「それは近頃忝ない 時に太夫さん お前のお名わえ」
墨染 「アイ墨染といいやんす」
関兵 「ナニ墨染 あの桜の名も 元は墨染」
墨染 「エエ」
関兵 「ハテ えゝお名でござりますの それはともあれときにおれはマア 女郎買いをした事がないが 廓の駈引き」
墨染 「馴染みのしこなし間夫狂い 実と」
関兵 「嘘との」
墨染 「手管の所訳」
関兵 「裏茶屋入りの魂胆まで」
墨染 「そんならこゝで 話そかえ」
   清掻になり、墨染関兵衛、花道に行き、
   笠をさしかけ、道中のこなし。
: 行くも返るも忍ぶの乱れ 限り知られぬ我が思い 月夜も闇もこの里へ 忍び頭巾で格子先 行きつ戻りつ立ちつくす (: 向こうへ照らす提灯の 紋は菊蝶ちようどよい 首尾と思えど遣り手が見る目 : 待つたぞや : おゝ よう来なんした 逢いたかつたも目で知らせ 暖簾くゞりて入る跡を : 残り惜しげに差覗きアアさせて 待たせるぞ待たせるぞと 独り呟く程もなく) 
: 籬の内より小手招ぎ ふわりと着せる裲襠の 裾に隠れて長廊下 毒蛇の口を遁れし心地 ほつと一息つく鐘も 引け四つ過ぎてねやの内 : ヤア まだこの温まりの覚めぬのは 先刻に帰つた客でもよもやあるまいか こりや外に出来たわえ どこのどいつか知らねども お年が若うて好い男で お金もたんと御所持なされた色男様と しつぽりとお契りなされたでござりましようの エエ 腹の立つ : ホホヽ こりやおかしい覚えもない事云いかけて 口舌の種にさんすのかえ エエ憎らしい : アイタアイタアイタ 痛いわい アヽこんな所に居ようより 帰りましよ帰りましよ
「これ待つた」: 去のうやれ 我が故郷へ帰ろやれ
   両人、傾城と客のこなし関兵衛片袖を落とす。
関兵 「ヤア そなたは何を泣くのじや」
墨染 「サアこれは オヽ それそれ この片袖は 余所の女中さんから誓いて寄こした 起請でござんしよ」
関兵 「イヽヤ そりや片袖だ」
墨染 「イエイエ 起請でござんしよう」
関兵 「オヽ 成る程 起請だ」
墨染 「エヽ お前はなア」
: これ此ように初めから 起請誓紙を取交し 深いお方がありながら 隠しく置いて又わしに 色で逢うとはようもよう 騙さんしたが憎らしい そうとも知らず慕い来て 見れば果敢な片袖の 血汐の文字はなき跡の 形見と思えばいとゞ猶 これ懐かしい悲しいわいな
関兵 「最前よりこの片袖に 心をかくる怪しき女 様子を明かせ なんとなんと」
墨染 「オヽ この片袖は夫の血汐 それのみならず 最前我が業通にて手に入れし 勘合の印を所持するからは 様子があろう 本名明かせ なんとじや」
関兵 「斯くなる上は何おか包まん 我こそは中納言家持が嫡孫 天下を望む大伴の黒主とは おれが事だわやい」
   引抜き、公卿の姿になり、キッと見得。
墨染 「さてこそな」
関兵 「我れに恨みをなさんとする そも先ず汝は何者じや」
: のう去りし恨みのあればこそ そも人間の業受けて女子とは見すれども 小町桜の精魂なり
墨染 「我れは非情の桜木も 人界の生を受くれば 七つの情も備わつて 五位之助安偵どのと 契りし事も情やな」
: 不慮の矢疵に玉の緒も 絶ゆるばかりの折も折 御兄君の身に代り 敢えなくこの世を去り給う 夫の形見の片袖に 引かれ寄る身は陽炎姿 : 我が本性の桜木は邪慳の斧にかゝりしぞや 報いの程を思い知れと 有り合う桜を呵責の笞(しもと) はつたと睨む有様を : やア小癪なと無二無三 斧取り直して打ちかくれど 凡人ならぬ精霊の業通自在の身も軽く ひらりひらり飛びかう姿は吹雪の桜 霞隠れや朧夜の 水の月影手にも取られず : 見えみ見えずみ又現われて 今ぞ即ち人界の 輪廻を離れ根に還る しるしを見よやと云う声ばかり 形は消えて桜木に 春もかくやと帰り花 雪を踏み分け踏みしたき 水に戻れば墨染の 小町桜と世に広き あまねく筆に書き残す
   立ち廻りあって、トド真中に両人にて引張りの見得になる。

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平成中村座の「関の扉」、  : 関守関兵衛実は大伴黒主  勘太郎 傾城墨染実は小町桜の精  菊之助 小野小町姫  七之助 良峯少将宗貞  扇雀  : あまりにも素敵だったので詞章を写してみました。 だ━━━━━━っと打っただけで校正してませんから、 あと今回の上演とは違うところもあったり…… そのあたりは心してどうぞ。   : こちら↓からの引用です。日本舞踊曲集覧邦楽社  以下の「:」という記号は「&#12349; 」=庵点だと思ってください。 ...続きを見る
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