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zoom RSS 関の扉の詞章をうつす : 積恋雪関扉[上]

<<   作成日時 : 2011/12/21 21:18   >>

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平成中村座の「関の扉」、
 :
関守関兵衛実は大伴黒主  勘太郎
傾城墨染実は小町桜の精  菊之助
小野小町姫  七之助
良峯少将宗貞  扇雀
 :
あまりにも素敵だったので詞章を写してみました。
だ━━━━━━っと打っただけで校正してませんから、
あと今回の上演とは違うところもあったり……
そのあたりは心してどうぞ。
  :
こちら↓からの引用です。
 以下の「:」という記号は「〽 」=庵点だと思ってください。

積恋雪関扉[上]
   [下]はコチラ

   一面の浅葱幕、雪颪にて幕開く
: 待ち得て今ぞ時に逢う 待ち得て今ぞ時に逢う 関路をさして急がん
   浅葱幕切って落とす
   真中に関兵衛、薪に倚り居眠りいる。
: 昔々昔噺のその様に しばしば似たる柴刈りも 関屋を守る身の片手業 柴をたばねてかいやり捨て 五尺いよこの手拭 五尺手拭 中染めたしよんがええ(: 木樵の唄も世をいとう 身につまされて偲ばしく 忘る心に取敢えず)手慣れし琴を調べける: 恨めしや我が縁
   伊予簾上がる。二重に宗貞、羽織衣装にて琴を調べている。
   雪颪になり、花道より小町、杖を突き出て来る。
小町 「ハテしおらしい 調べの音じやなア」
: かかる山路の関の扉に さしも妙なる爪音を 聴くにつけても身の上を思い出せば錦の戸張 玉の台に人となり 翡翠の簪たおやかに ある人は初花の) 雨に綻ぶ化粧いとは 女子をのぼす懸け詞 今はそれには引きかえて 草の衣や袖せまき 姿を隠す蓑笠や 杖を力にたどたどと 関の扉近く歩み寄る(: 宗貞琴を鎮め給い)
宗貞 「雪降れば 冬籠もりせる草も木も 春に知られぬ花ぞさきける なんと関兵衛 どうも云われぬ景色ではないか」
関兵 「成る程 この雪を肴に一つたべたらようござりましよう」
: 話しのうちに小町姫 関の外面に立ち休らい
小町 「申し ちと御案内申しましよう」
宗貞 「アレ 関の扉に 誰やら案内があるぞや」
関兵 「ナニ 案内とは何者だ」
: 関兵衛が関の扉明けて
関兵 「アゝ 貴様は女だな この夕暮れに供をも連れず只一人 この関へは なぜ来たのじや」
小町 「アイ わたしや三井寺へ参詣の者 関を通して下さんせ」
関兵 「成る程 通りたくば通しもやろうが 手形があるか」
小町 「そのような物は ござんせぬわいなア」
関兵 「手形が無くば通す事は ならぬならぬ」
宗貞 「コレ そのように云わずとも この大雪にさぞ難儀であろう 料簡して 通してやりやいの」
関兵 「さう仰しやれば 通してもやりましようが コレ女中 そんならおれが尋ねる事があるが それを一々答えるか」
小町 「成る程 わしが覚えている事なら 何なりとも答えましようわいなア」
関兵 「先づ第一 合点がゆかぬ」
小町 「そりやマア何がえ」
関兵 「サア その訳は」
: 一体そさまの風俗は 花にもまさる形かたち 桂の黛青うして 又とあるまいお姿を お公卿さん方お屋敷さん 多くの中で見初めたら 只は通さぬ筈なれど そこをそのまゝ捨て置くは: 生野暮薄鈍 情なしくなしを見るように 悪洒落云うたり 大通仕打もあるまいが どういう理屈か気が知れぬ 気が知れぬ
: いやとも我れは恋衣 はや脱ぎ捨てゝ鳥羽玉の 墨の袂もたらちねの 後の世願う菩提心 褐食の身にて候うぞや
: ほう 詞は殊勝に聞ゆれど 菩提の道に入りながら なぜ黒髪を剃らぬのじや
: 姿は世をもいとはゞこそ 心でいとうているわいな
: して煩悩とは
: 菩提なり
: 堤婆が悪も
: 観音の慈悲
: また槃特が愚痴も
: 文殊の智慧
: 智慧も器量も取りなりも 類いなき身を百歳の 姥になるまで独り寝は 惜しい事ではないかいな
: お目にかゝるも初深雪 凌ぐ木蔭もいとしやと 関の扉ぼそを押し開きこちらへこちらへと通しける
小町 「ヤア お前は宗貞さま お懐かしうござりましたわいな」
宗貞 「これはマア思いもよらぬ こゝへはどうしてござつたぞ」
小町 「さればいなア いつぞや布留の御寺にて お別れ申したその後 王子さまの横恋慕 是非に入内とありしゆえ 館を出てこのように 身を忍んで居りますわいなア」
宗貞 「それはさぞ 憂き艱難をさつしやられたであろうのう 某とても同じ身の上 コレ この所は先帝の御陵ゆえ 移し置いたる御愛樹のあの桜 非情の物とはいいながら 崩御を悲しむあまりにや 薄墨色に咲きたるを そなたの歌の徳に依つて 盛りの色を増したれば 小町桜と云い伝う その名に愛でゝ少将も 一樹の下に侘び住居 思えば果敢ない縁じやなア」
関兵 「そんならあなたが 小町さまでござりましたか これはこれは少将さまにも さぞお喜びでござりましよう これからは打寛いで その馴初めの恋話し お聞かせなされて下さりませぬか」
小町 「イヤモウ この身になつて 今さら語るも面伏せ」
宗貞 「さはいえ迷いの雲霧を懺悔に晴らすも悟りの道」
小町 「そんなら恋の世語りを」
関兵 「早う聞きたい 所望じや所望じや」
: その初恋は去年秋 大内山の月の宴 その折柄に垣間見て 思いに堪えかね一筆と 書き初めしより明暮れに 文玉章の数々は なんと覚えがあろうがの (: その水茎にこまごまと 偽りならぬ真実を 聞く嬉しさも押包み 恋い焦れても母さんは 一日誓いを立てし身の 色に心は引かれじと 思い返していなせをも 云わぬは云うに増す穂の芒 : 小町とは云わじ恋草に 百夜通うて誠を見せて 忍び車の榻(しづ)に行く やつし姿の夜の道 いつか思いは山城の木幡の里は馬あれども : さつても実じや真実じや 一里あまりをわくせきと そんなら駕籠にも乗らずにか : 君を思えば歩行(かち)はだし : 月にも行き : 闇にも行き : さて雨の夜の行く思い きりぎりすは我が恋を 思い切れとの辻占も 祝い直して行く夜の数も九十九夜 今は一夜嬉しやと 待つ日になれば先帝の 崩御と聞くに身の上の 恋も無常と立ちはかる 君の菩提を弔らわんと 位を辞していそのかみ 布留の御寺に夜もすがら御経誦の折も折) : わたしもその時母上の 後の世折る志し 一夜籠りに思わずも お顔を見るよりぞつとして身にこたえ 後生菩提もどこへやら 捨てゝ二人が夜もすがら憂きを語りて明かせしが アヽ いやいやいや 立てし誓いは破られずと ついそのまゝの憂き別れ 思えば果敢ない縁ぞと かこつ涙の流れては 関の清水やまさるらん
   宗貞小町のクドキの振り。関兵衛、中を隔て
関兵 「アヽ 哀しいはお道理お道理 何もかもこれからは この関兵衛が呑み込んで居りまする」
小町 「そんならお前に頼むぞえ」
関兵 「サア それで極まつたというものだ 仲人はこの関兵衛 四海浪静かでもあるまい ハテ どうしたものであろうなア オヽ それそれ この関守には毎年七夕祭があるが その祭になぞらえて あなた牽牛お前は織女 オヽ それそれ 秋と冬とは変れども 年に一夜の天の川」
小町 「とわたる星になぞらえて」
関兵 「七夕祭にかかろうか」
: 実に織姫のかざしの袖 秋の錦を織り機の 中に想の字を現わし 砧のうえにえんれつの声 頻りに隙なき機の音 きりはたり ちようちよう 賤が手業やことわざの内に関兵衛懐中より落とせ割符を小町姫 手早く取れば
   関兵衛、割符と勘合の印を落とす。
   小町は割符、宗貞は印を拾って
宗貞 「ヤヽ これは」
関兵 「それは」
小町 「これは」
関兵 「それは」
取ろうとする。小町姫、手早く隠す。
宗貞 「それとは」
関兵 「それ」
小町 「それ」
三人 「それそれそれ そつこでせい」
: 恋じやあるもの渡らでおこか 渡らばそうしてこうしてと 目褄透間をなに白川の 橋を渡ろか船にしよか 橋と船とは恋の仲立ち ほんにえ : なかなかに初めより 馴れずば物は思わじ 忘れは草の名にあれど 忍ぶは人の俤人の俤 たまに逢う瀬の七夕も せめて一夜はあるものを 一期添われぬ憂き恋は つれないこの身とばかりにて 流涕こがれ泣き給う : アヽ これこれ こりやマアどうでござります そのお歎きを見まいため 今宵しつもる露霜に 色づく紅葉の橋渡し 所詮仲人は宵の程 我らは奥で酒の燗 長居は恐れと走り行く
   片袖を咥えた白斑の鷹、差し金にて下りて、石にとまる。
宗貞 「ヤア あれは正しく斉頼の鷹 足になにやら附けたるは この片袖に血汐を以て 二子乗舟と記せしは 古へ衛の公子寿が 兄に代わつて死したる唐歌 さては弟安貞は」
小町 「お前に代わつて お果てなされましたといなア」
宗貞 「不便の者の 身の果てじやなア ハテ 合点のゆかぬ鶏の声 仔細ぞあらん」
   斧を以て石の下を掘し、鏡を出して見る。
小町 「これこの鏡の裏に 生けるが如き鶏の形 血汐の穢れに声を上げしは 紛う方なき大伴家の重宝 八声の名鏡 篁(たかむら)さまよりお渡しありしこの割符と 最善関守が落とせし割符とこれこう合せて見る時は」
宗貞 「鏡山という文字 何にもせよ 合点のゆかぬはあの関守 後に残りて猶も様子を窺わん 其方はこれより立帰り 烽火(のろし)を合図に 関の四方を囲まれよと 篁へ伝えてたも」
小町 「そんならわたしは」
宗貞 「小町どの」
小町 「宗貞さま」
宗貞 「片時も早う」
: 片時も早うと宗貞が 詞に任せ小町姫 恋しき人に別れても また逢坂の山伝い 雪踏み分けて急ぎ行く
: 今宵も既に降りしきる 雪の翅の羽風をも 音静かにや更けて行く 正に先帝御亡き跡を 弔い奉る後夜の読経 尚も回向を忘れもやらず 誦するも弟安貞と心ばかりの手向け草
   宗貞、回向して。以前の片袖を取り上げ
宗貞 「アヽ さりながら 血汐に染みしこの片袖 身に添え持たば 先帝への畏れあり 如何はせん オヽ それそれ」
   床の間に立てかけし以前の琴の下へ隠す事。
: その間に奥の一間より

[下]へつづく 

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内 容 ニックネーム/日時
平成中村座の「関の扉」ご覧になったのですね。うらやましいです。古風な味わいのある演目で私も大好きですが、劇場ではここしばらくは見ていません。久しぶりに昔の録画(VHS!)でも引っぱり出して見てみましょうか。
ゆーまー
2011/12/23 14:12
◇ゆーまーさんコメントありがとうございます。
今回の関の扉は、記憶に後々まで残ると思います。
てぬぐい…
2011/12/25 07:25

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