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zoom RSS 桜座 : 田中泯+坂田明+吉田勘緑の「三味一体」

<<   作成日時 : 2007/07/15 23:59   >>

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舞踏+sax.voice+文楽人形の共演。
 :
物語とかテーマなどを無理に理解するのは止めよう、きょうは状況を楽しむようにみるんだ、と心に決めて行きました。
 :
桜座の舞台は間口10m、奥行き5m(目算)くらいの、打ち固められた土間。今回は舞台上に直径4m(目算)くらいのワイヤーフレームの環が吊ってありました。
下手前にベルやチャイム、風鈴?が乗った机がひとつ。
他の道具は奥に張られた黒幕と、両サイド9本ずつのローソクだけ。

  桜座・田中泯+坂田明+吉田勘緑

先ず下手から立役の人形。(三人遣い・黒頭巾)
ロン毛のオールバックで衣裳は白の水干だか狩衣だか? 右手に生火の点いたローソク。
中心に吊られたローソク立てにセットされると「ジェゴグ」の音楽が流れ出しました。
バリ島の竹楽器
苦悩とか怒りを表現をする人形。
 :
オジサンの普段着みたいなかっこうの田中泯、
気配薄く登場し、黒幕の奥へ。
ジェゴグパート終わって人形ハケると、A.saxを持って坂田明登場。風鈴を鳴らしながら舞台を一周歩き、saxの演奏に。
演奏はもうフリーな感じ?
田中泯が土間を這いずり、もがきだすと、吊られた環の中を透明な球が転がりだしました。
 :
オモシローイ。
たまにはこういう抽象的なものもいいなと思いました。
普段使っていない脳のエリアをかき混ぜてくれる感じ。
イメージが勝手に増殖していく快楽です。
 :
云々あって、人形再登場で云々。
 :
下手に立つ竹の棒に人形を据えると遣い手は退場。
坂田マイクを通して「ヤエガキ、ヤエガキ」とリピート。
再びジェゴグが流れ、saxも舞踏も激しさを増しました。
上手から、今度は女形の人形。赤い振り袖襦袢。
田中と人形は、互いに見えていないかのようにそれぞれの振りをしていました。
動きを止めうなだれた田中の存在に気づき、背に一度だけ手を置く人形。絡みはそれだけだったと思います。
 :
その後、舞台の端から様子を伺うようにしていたかと思うと、主遣いが胴体から“かしら”を抜き、首だけを持って舞台を歩き出しました。生首の浮遊です。
すると、もうひとりの人形遣いが、さきほどの立役の人形からもかしらを抜き取り舞台なかへ。見詰め合う首と首。
この場面ゾクっときました。
 :
立役のかしらハケ。
そしたらもっとびっくりすることが、主遣いさん今度は、女形のかしらを、残った立役の体に装着しました。
女が男を支配したんだと明確に理解できます。人形にしかできないすさまじい表現に驚き、興奮でした。
男のままだったときより、凄みが増して力強くみえました。田中はそれを見てか、黒幕にへばりつき直立&ピクピク。
半陰陽の人形の独壇場に、先ほど以上にゾックゾク!!!
 :
ととととと、していたら、やめようと思っていた物語としての理解が、私に急にやってきてしまいました。
「これって鳴神?」
立役は鳴神、それを支配する女形は雲の絶間姫。
鳴神によって封じ込められた龍を田中が踊っている。
最初に運ばれてくるローソクが龍の魂で、
頭上のフレームの環は滝を現している。
いま、絶間姫が龍のいましめを切ろうとしているんだ。
……などと自分勝手な理解をしない方が面白かったのかもしれませんが、もうだめです。
目の前で繰り広げられているのは「鳴神」の書き替え狂言、他のものには見えてきませんでした。
 :
半陰陽ハケて、いよいよ龍の滝登りかと期待したのですが。
田中は飛び立ちません。環のなかを走る球に操られるようにぐるぐる円を描いて歩いていました。
龍が解放を拒んでいるように見えました。
人の都合で居所を変えられてはたまらない。
「ここならここでいいんだ、オレ」
と云っているみたい。
「鳴神モード」の私は、その意外性にもハッとしました。きっと龍も水に馴染むことがあるのでしょう。
 :
田中、坂田黒幕の奥に隠れ、転がる球の音のみ残り終演。
正味70分くらいだったでしょうか。
 :
カーテンコールでは勘緑氏あいさつ
「普段とちがい、いつ始まって、いつ終わるのか? というなかで、身のおきどころに困りました。師匠には内緒にしておいてください」
 :
これ、今回限りの顔あわせでしょうか、きっと即興の部分も多々あったのだろうと考えます、でも、すでに完璧って感じさえしました。
 :
あと、左遣い・足遣いがよくついていけるものだと、プロに対し失礼ながらまじめに感心いたしました。
 :
高校生のころ山下洋輔のエッセイで名前を知り、超絶キャラぶりにあこがれていた坂田明。当時はひたすら想像するしかなかった演奏を間近で聴くことができたのも幸せでした。
3500円

桜座公式ページ
  田中泯+坂田明+吉田勘緑の「三味一体」

(でもでも、ひとつだけ。
ラスト、最初に揚げたローソクをどうにかしてほしかったです。地面におろして倒して消すとか、天井いっぱいまで上げて消すとかすると、終わりが解りやすかったかも……解りやすい必要はないんですけどね。それとも龍の魂が滝に残っているという象徴なのか)

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  <山下洋輔の本はいまどきは手に入れづらいのか>
ピアニストを笑え! (新潮文庫 や 12-1)

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
私も桜座であった「三昧一体」に行きました。

こちらに舞台の様子があまりにもよく書かれいているたので、リンクを張らせていただきました。
私の日記がブログではないので、
トラックバック形式でなく、申し訳ありません。

私にはこのように深く理解し、感じ入って書くことができません。すばらしいです。
どうもありがとうございます!
能丸千秋
URL
2007/08/01 20:30
◇能丸千秋さん、はるばるハワイからようこそ甲府へ。そしてリンクありがとうございます。
 :
「子どもはこれをどう見ているんだろう」と会場にいるときからちょっと気になっていました。
息子さんの感想を聞いてみたいです。
 :
こちらに残していただいたURLがうまく表示されないので、あしからず右の「URL」に貼り直させてもらいました。
てぬぐい…
URL
2007/08/02 00:59
早速レスしていただき、ありがとうございます。

息子(7歳)の感想は一言、「退屈だった」。
連れて行って、本人にも、周りの方にも、
申し訳なかったと思っています。

でも、終わってから、舞台装置をいじらせてもらい、それは相当楽しかったようです。

人形の首が抜けるところは、実は
見せないようにしました。
見ていたら、怖がって出たがったと思います。

私にとっては衝撃的で、一生忘れられない舞台になりました。
能丸千秋
URL
2007/08/02 19:23
◇こちらこそご返答に感謝です。
ご子息の感想は「退屈」でしたか。
 :
オトナって地上の常識があるから、たまのアングラ的なものに衝撃を受けるのかもしれません。地上も地下も区別のない、まだ自由な認識を持つ子どもには、ああいったものを杭として打ち込むことはできないんでしょうね。
(でも、この鑑賞体験が将来どこかで活きてくることがあるかも……?)
 :
子ども心には、人形の首が抜けることより、あの暗い空間で黒頭巾の大人が三人かたまって人形を動かしていることの方が怖いんじゃないだろうか? とか勝手に考えていました。
 :
もっと多くの人(老若男女)に見てもらいたい舞台でした。
てぬぐい…
2007/08/04 01:32

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